太陽光発電所を高額買取りしてもらうコツは?仕組みを知って上手に売却
近年、太陽光発電所を売却する所有者が増えています。皆さんの中にも、太陽光発電所の買取査定を検討している、という方がいるのではないでしょうか。そこで本記事では、太陽光発電所の買取依頼が増加した背景を解説するとともに、高額買取りにつなげるためのポイントを紹介します。正しい知識を身につけて、上手に売却しましょう。
太陽光発電所とは?
太陽光発電所について解説するとともに、太陽光発電所の売却が増えた背景について解説します。「太陽光発電所」とは太陽光で電力を生むための発電装備・設備、送電設備およびこれらの運用管理を行う設備で構成された施設のことです。太陽光発電所では太陽光パネルを設置し、太陽光をエネルギーとして発電します。太陽光パネルの中には、光電効果を有した太陽電池が複数組み込まれています。太陽光パネルで発電した電気は直流電気です。一方、普段家庭で使用する電気は交流電気のため、そのまま供給はできません。そこで、発電した電気はパワーコンディショナという変換器で変換してから供給します。太陽光発電所を設置するには、適切な環境が必要です。住宅などの屋根に設置できるのは、出力が10kW未満の小規模な太陽光発電設備です。架台を屋根に取り付けたあと、その上に太陽光パネルおよび各種機器を設置します。出力10kW以上の太陽光発電所は、土地の面積が広い場所に設置しなければいけません。太陽光発電所を設置できるのは、日照がよく、周辺に反射の影響を受ける箇所がない場所です。出力10kW以上の太陽光発電所は、屋根の上ではなく地面に設置します。出力1MW以上のメ ガソーラーを設置する場合は、1ha以上の敷地が必要です。野球場やサッカー場程度の土地が必要、と考えるとわかりやすいでしょう。
太陽光発電所の売却が増加中
2023年から、太陽光発電所の買取り依頼数が増加しています。その背景にはインボイス制度の開始や太陽光発電の出力抑制、FIT法のルール厳格化が関係しているといわれています。
インボイス制度の開始に伴い、太陽光発電所の買取りを希望する所有者が増えています。消費税を申告・納付していない所有者は、インボイスの登録をしなくても買取り価格の変更はありません。しかし、次の条件を満たしている所有者は消費税の課税対象です。事業者が「事業」として行っている、国内において取引を行っている、資産の譲渡・貸付・役務の提供の対象である、対価を得て行っている、これらの条件に当てはまる場合はインボイス制度によって収入が下がってしまうため、将来を見据えて売却するケースが多いようです。
出力抑制エリアの拡大も売却増の原因の一つだといわれています。出力抑制とは、一定量の売電が見込まれた際に売電が制御される仕組みのことです。出力制御と呼ばれることもあります。近年、出力抑制を行う電力会社が増加していることにともない買取量も減少しています。その結果、当初見込んでいた収入が得られなくなった売り手が太陽光発電所の売却を決意する、というわけです。IT法は2012年に制定されたのち、2017年に改定されました。改正後はメンテナンスを含めた「事業計画書」の提出が義務づけられるようになりました。そのため、設備投資やメンテナンスを行う経済的余裕のない所有者は負担増となってしまい、事業譲渡を決断せざるを得なくなったと考えられます。
太陽光発電所の買取価格の相場と売却の手順
太陽光発電所の買取価格の相場はどれくらいでしょうか?また、どのような手順で売却するのでしょうか?それぞれ詳しく解説します。現在、太陽光発電所の買取市場では、中古太陽光発電所のニーズが高まっています。主な原因は燃料価格の高騰、半導体不足、FITの価格低下の3つです。また、中古太陽光発電所の場合、これまでの発電実績から想定発電量も推測できるため、金融機関の審査に通りやすい、というメリットがあります。さらに、SDGsの観点から再生エネルギーを導入する企業も増えたため、太陽光発電所のニーズも高まっているのです。太陽光発電所の買取価格は立地や出力、設備状況、固定買取価格など、さまざまな条件によって大きく異なります。しかし、中古太陽光発電所に関しては一定数の需要があるため、利回り10%前後の販売価格設定も可能でしょう。
【太陽光発電所買取の手順】太陽光発電所の売買は業者を通さず自身で行えますが、手続きが複雑なためあまりおすすめはできません。仲介業者、もしくは買取業者を通じて売却しましょう。まずは、太陽光発電所の仲介業者に査定を依頼します。業者は現地調査をし、査定額を決定します。査定額に納得できれば契約です。そのあと仲介業者が販売活動で買い手を探し、購入者がみつかれば売却します。申込から売却までの期間はおよそ1~3か月で、購入者が見つかるまでは売却できません。しかし、太陽光発電所の売却に特化した業者を選べば、相場よりも高い値段で買取ってもらえる可能性が高いでしょう。買取業者に依頼する場合も仲介業者同様、まずは査定を依頼して査定額に納得できれば契約を結びます。もちろん業者は現地へと赴き、調査したうえでの査定額を提示します。契約を結べば、買取業者が直接太陽光発電所を買取ります。申込から売却までの期間は1~3週間と、早く売却できる点がメリットです。
太陽光発電所を高額買取してもらうコツ
太陽光発電所を高く買取ってもらうにはいくつかのポイントがあります。太陽光発電所に故障部分があったり、メンテナンスが不十分だったりする場合は、買取依頼をする前に修繕すれば売却価格を上げられます。特に、パワコンの接続不良など発電量に重大な支障をきたす故障は事前にしっかり修繕しておきましょう。また、メンテナンスをしていない太陽光発電所は売電実績が落ちてしまうことがあります。このような場合は設備をしっかり修繕すれば、実績が改善する可能性が高いでしょう。当初のシミュレーションよりも売電実績が低い場合は、施工ミスが考えられます。売却前に点検してもらい、原因究明できれば売電実績が上がるかもしれません。
発電量や売電実績を数字で示した資料があれば、収益のシミュレーションが可能になるため、買い手の信頼につながります。発電量が少ない太陽光発電所の場合、買取査定の評価が低くなるのでは?と心配になるかもしれません。必ず、正しい情報を相手に提示しましょう。過去の修繕履歴なども記載しておくと、買取業者の心証もよくなり適切な査定をしてもらえるでしょう。太陽光発電所を売却する際は、複数の買取業者に査定を依頼しましょう。複数の業者に依頼すすれば、価格のもっとも高い業者を選べます。また、売却を希望している太陽光発電所のエリアに強い業者に出会える可能性も出てくるでしょう。買取業者は、実績の豊富なところを選びましょう。経験豊富な太陽光業者なら、さまざまなケースに柔軟に対応してもらえます。なかには修繕が得意な業者もいるため、故障箇所を修繕して買取価格をアップしてくれるところもあるでしょう。
まとめ
太陽光発電所の売却が増加している背景や買取の流れ、高額査定してもらうコツを紹介しました。近年は中古太陽光発電の需要が高まっているため、売却に適したタイミングといえます。今回紹介したポイントを参考にして、スムーズな売却を目指しましょう。